プロ野球西武ライオンズのアマチュア2選手への現金供与問題で、球団が設
置した調査委員会は4日、球団創立の78年10月から05年6月までの27
年間に、新たに5人の選手に対し、契約金の前渡し金などの名目で計6160
万円を支払っていたことを公表した。また、入団選手の高校、大学、社会人野
球の監督ら延べ170人に謝礼として計1億3500万円を同じ期間に支払っ
ていたことも明かした。

 

西武ライオンズの現金供与問題が日本プロ野球界の根深い部分を掘り起こす、
そのようなきっかけとしてちょうど良いのではないか。何度も改革が叫ばれな
がらも「なぁなぁ」で終わってきた球界の膿を徹底的に出し切ることでしか信
頼の回復は難しいであろう。ファンは黙っていてもついてくるなどと考えてい
るうちは、真の意味でのプロスポーツとは言えない。球団経営も企業経営同様
コンプライアンスの遵守が必要なのは当然ではなかろうか。

 

調査委が同日公表した中間報告によると、5選手のうち2選手は当時学生で、
日本学生野球憲章に違反し、計300万円を受け取っていた。調査委は「個人
を糾弾することを目的としていない」ことを理由に5人の氏名を公表していな
いようだが、西武以外の球団も違反していたのではと思うのが普通であろう。
せっかく我が国が誇る松坂投手が西武から大リーグへ渡ったと言うのに、いま
いち気分の良くない不祥事である。