海上自衛隊第一護衛隊群の護衛艦「しらね」の二等海曹がイージスシステ
ムに関する中枢情報を持ち出した問題で、情報が記録されていたデータフ
ァイルの中に、同システムの保守管理を担当していた三等海佐の名前が記
載されていたことが5日、分かった。データファイルが入った外付けハー
ドディスクには、大量のわいせつ画像が含まれており、情報は二曹が同僚
下士官から画像をコピーした時に流出したことも判明した。

 

重大な機密を持ち出すことを何とも思わず、さらには情報を漏えいさせる
こともそうだが、機密自体を簡単に持ち出せるような管理しかしていない
自衛隊にも大いに問題がある。神奈川県警と海上自衛隊の警務隊は、日米
相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法違反に当たるとみて、立件に向け共
同で捜査することを決めており、事の重大さが伝わる。情報漏えいの原因
がわいせつ画像の交換と言う低レベルな目的なのが、これが世界に誇る自
衛隊の真の姿として思われかねない。

 

旧日本軍は情報の価値を軽視してきたツケから、みすみす勝機を逃してき
たと言う先例がまるで生きていないではないか。イージスシステムは米国
ロッキード・マーティン社が開発し、製造も同社が行うと共に、査定を
通過した同盟国海軍にのみ、同システムを有償提供している実態がある。
世界でも我が国、スペイン、ノルウェーのみが運用し、語源となっている
ギリシャ神話の「イージスの盾」を実践しているのだ。根幹の部分までは
漏れていないと思われるが、これは恥ずべき事態と認識すべきだ。