時事通信社が12日から15日にかけて実施した四月の世論調査によると、
安倍内閣の支持率は前月比5.9ポイント増の40.6%で、昨年12月
以来の下落傾向から反転した。不支持は同4.4ポイント減の34.8%。
中国の温家宝首相の来日で日中関係改善を軌道に乗せたことや、天下り
制を柱とする公務員制度改革への取り組みなどが好感されたとみられる。

 

ひとまず下落傾向に落ち着きが見られた安倍内閣にとって、人気取りと言
われ様とも公務員制度改革に取り組んできたことも評価されたのだろう。
支持率の内訳は、男性は支持39.8%、不支持41.4%で、前月に続
き不支持が多かったが、女性は支持41.4%、不支持28.6%となっ
ており、閣僚の事務所費問題や舌禍によるダメージは致命傷には至らなか
ったようだ。

 

ただ、温家宝首相の訪日によって日中関係の改善に向かうとは思えない。
温首相が来日中すると言うにも関わらず、日中間の懸案の事項である東シ
ナ海のガス田開発では、一部のガス田では生産が開始されたとの発表があ
った。さらにこの時期に温首相が来日したのは靖国神社で行われる例大祭
の前に来日することで、安倍首相の参拝を封じ込めると言う点も見受けら
れる。中国の行動は何か理由があってのことなのだ、それを額面通りに受
けてとめて友好と騒いではいけない。