松岡利勝農水相の自殺から一夜明けた29日午前、安倍晋三首相は閣議
で「各閣僚は今後とも結束して国政に取り組んでいくよう改めて協力をお
願いする」と訴えた。首相は、後任人事を慎重に進め、天皇陛下が帰国さ
れる30日以降に決定する方針。政権内の動揺を最小限に抑え、態勢の立
て直しに全力を挙げる。

 

安倍政権にとって打撃必至の松岡前農相の自殺。残された者達は立ち止ま
るわけにもいかず、特に参院選を2ヵ月後に控える中であまりに手痛い打
撃となるのは間違いないだろう。反安倍を鮮明にする谷垣禎一財務相
都内で講演した際に「閣僚を辞めていたらあんなことにはならなかったの
ではないか」と述べ、松岡氏を辞任させず擁護し続けた安倍首相を暗に批
判したようだ。

 

さらに今朝、官製談合事件で問題となっている緑資源機構の前身、旧森林
開発公団の元理事が自殺し、農林行政の「闇」の深さを物語っているかの
ようである。安倍政権が出直しを図るには、これらの闇を払拭した上で、
国民に事実を明らかにすることに尽きる。いずれにせよ、政局は一層混迷
としたものとなるのは間違いない。