ホワイトハウス国家安全保障会議のジョンドロー報道官は27日、北
朝鮮が同日発射した複数の短距離ミサイルについて「弾道ミサイル」との
認識を示し、国連安保理決議違反だと非難した。また、「6カ国協議が微
妙な時期にある中、ミサイル発射の決定を行ったことを深く憂慮する」と
自粛を求めた。「これら弾道ミサイルの発射」とだけ言及し、「北朝鮮
北東アジア情勢を不安定化させる挑発的な弾道ミサイルの発射をやめ、合
意の履行に集中することを期待する」と述べた。

 

このところの米国は譲歩に譲歩を重ねる形で北朝鮮に接してきたが、それ
でもとどまることのない北朝鮮の行動には苛立ちを憶えているだろう。中
東政策で完全に失敗したブッシュ政権にとって、東アジアの安定は妥協を
してでも手に入れたい成果なのかもしれないが、果たして北朝鮮が約束を
きちんと履行するのか、まったくもって疑問である。一時しのぎで核施設
を凍結するだけで完全なる廃棄をしないのでは、どうしてもそのような懸
念は拭えないのだ。

 

だが、それでも米国は一歩踏み込んだ形として米国、中国、韓国、北朝鮮
の4か国が、朝鮮戦争の休戦協定に代わる朝鮮半島の恒久的和平体制を協
議する会合を開こうとしている。その4か国から外された形の我が国は、
文字通り蚊帳の外だ。さすがにこれは看過出来ない問題である、朝鮮半島
の体制変化は我が国に密接に影響してくる。米国は成果を得ようとするあ
まりもっと大事なものを失うかもしれないことを考えるべきだ。