第166通常国会は5日、衆参両院本会議で会期末処理を行い、閉幕する。
参院選を控えた今国会は、与党が重要法案処理のため強行採決を連発し、
安倍晋三首相の主導で会期も延長した。政府の新規提出法案97本のうち
成立したのは89本。成立率は91.8%で、小泉内閣時代の6回の通常
国会の平均90.7%を上回った。

 

強行採決が連発されたのは重要法案を参院選前に成立させるためである。
特に天下り規制のための改正国家公務員法社会保険庁改革関連法案は会
期を延長させてまでも成立させたかった法案で、民主党の支持基盤の一つ
である自治労にとって、社会保険庁を廃止され公務員の身分を失うのは絶
対に阻止せねばならないことであった。結果的に法案は成立し、彼等の目
論見は泡と消えたので良しとしたい。

 

マスコミの論調は従来から基本的に政権叩き、与党叩きに走りがちなもの
だが、安倍政権叩きは本当に酷いものだ。閣僚の失言までも任命責任があ
るだなどと書いているのを見ると、何ともである。強行採決を連発したこ
とに対して「審議を尽くせ」などともっともらしいことを書いているが、
選挙を前にした野党、特に民主党が協力して重要法案を成立させるわけが
ない。与党の点数となるだけだからだ。時間稼ぎをされるのが見えており
強行採決とならざるを得ない、ただそれだけのことではなかろうか。