読売新聞社は、29日投開票の第21回参院選を前に、全国世論調査を実
施し、総支局の取材結果も加えて選挙情勢を探った。自民党は、1人区な
ど選挙区選で苦戦し、比例選でも勢いに欠ける。公明党も伸び悩んでおり、
与党は参院過半数ラインの122議席を維持できない可能性が強い。年
金記録漏れ問題などで有権者の反発が高まっているためと見られる。民主
党は選挙区選、比例選ともに躍進し、非改選の議席を合わせ参院での第1
党をうかがう勢いだ。

 

安倍政権で閣僚の不祥事や自殺などが相次いだ上に、本来安倍政権と何ら
関係の無いであろう社会保険庁のあまりに杜撰な年金記録の取り扱いが追
い討ちをかけ、支持が低迷しているわけだ。生活に直結することだけに、
特に投票に行く可能性の高い高齢者層を敵に回してしまったのは選挙に相
当な影響が出るだろう。これを打ち消すようなインパクトのある切り札が
そう簡単に出てくるはずも無く、このまま投票日を迎えれば自民党議席
の大幅な減少を覚悟せねばなるまい。

 

与党の一翼を担う公明党も状況は良いとは言えなさそうだ。自民党との違
いとして庶民の政党、消費者の目線をこれまで打ち出してきたのだが、年
金がそこに直撃したことによってこれまでのように順調にはいかない可能
性が出てきた。公明党創価学会と言う我が国最大の宗教団体かつ集票マ
シーンがバックにいるのが強みであるが、学会員が地道な活動で非学会員
に投票を呼びかけようとも、年金で一蹴されることも有り得るのだ。創価
学会、公明党にとっても生易しい戦いでは無いだろう。