安倍晋三首相は31日午前の閣僚懇談会で、与党が惨敗した参院選につい
て「厳しい結果だ。しかし政治の空白は許されない」と述べ、続投を決断
したことに理解を求めた。その上で「一層緊張感を持って当たってほしい」
と指示した。敗北の原因については「地方で改革の痛みを感じていること
が表れた」と語った。閣議後の記者会見では、首相続投に対し、異論を唱
える閣僚はいなかった。ただ、渡辺喜美行革担当相は「カド番の認識を持
ち続けなければならない」と、緊張感が必要なことを強調。

 

退陣圧力が強まる中で安倍首相は続投を決め、党内の不満を打ち消すかの
ように毅然とした対応をしたと言える。むろん選挙の顔として選ばれたに
も関わらず、大敗を喫したとあっては不満が上るのも仕方の無いことだろ
う。与野党の衆参における議席数に捻れが生じ、政権運営が困難となるこ
とが予想され、じわじわと解散総選挙への圧力を民主党が強めていくのは
間違いなく、それをどう切り抜けていくかが注目される。反撃のための態
勢を整えるまでに周囲から多くの雑音があることであろうが、あくまでぶ
れないことが重要だ。