安倍晋三首相は29日夜、参院選で与党が過半数割れしたことについて「
大変厳しい結果だ。しかし、改革を進め、新しい国造りにこれからの責任
を果たしていかなければならない」と述べ、引き続き政権を担当する考え
を表明した。敗因に関しては「年金問題への国民の怒りがあった」と語っ
た。テレビ各局のインタビューに応じた。

 

与党にとって大敗北と言っても良い結果に終わった今回の参院選。年金を
争点とした民主党の戦術が正しかったことが証明されたわけだが、やはり
シングルイシューで選挙戦を戦うことの疑問が付き纏う。もともと年金の
記録問題にしても安倍政権とは何ら関係の無いところで起きたことであっ
て、それに粛々と対応すれば良かっただけのことだ。民主党はそこを突き
不安を煽るだけ煽り参院選を勝ち抜いたと言える。

 

むろん与党も閣僚の失言や不明瞭な事務費問題などがあったものの、その
ようなスキャンダルで国の行く末を左右していては、いつまで経っても我
が国の民主主義は低レベルなままであろう。民主党も小沢代表が一人区を
精力的に回り、小泉改革で離反して言った地方の自民党支持層を抱き込ん
だものの、その見返りは何なのか。利益誘導型の政治手法を再びとろうと
するのなら、それはただの守旧派ではなかろうか。