安倍晋三首相は3日昼、9月に予定する内閣改造では、昨年の政権発足時
と同様に自民党各派から閣僚候補の推薦は受けない考えを明らかにした。
首相官邸で記者団が「派閥推薦を受けないと言ったが」とただしたのに対
し、「今回もその方針で臨んでいきたい」と明言した。参院選自民党
惨敗したことで、各派からは内閣改造・党役員人事で挙党態勢確立を求め
る声が相次いでいる。首相も政権立て直しへ挙党態勢には配慮する方針を
既に示しているが、同日の発言は派閥の意向をそのまま受け入れるわけで
はないことを強調したものだ。

 

参院選の惨敗は安倍首相の求心力を急速に低下させたが、それでもなお安
倍首相は人事についてはある程度は自身の考えを入れていきたいだろう。
だが、昨年の政権発足時はホワイトハウス的な官邸を目指し、首相補佐官
を一挙に5人起用したものの有効に機能したとは言い難いものであった。
また組閣の面々も「論功行賞内閣」「お友達内閣」などと揶揄され、現に
4人もの閣僚が交代すると言う最悪の事態に陥っているのは間違いない。
ただ、挙党一致の名の下に派閥がポストの奪い合いに明け暮れるようでは、
自民党有権者からさらに見放されるであろうし、安倍首相が派閥の推薦
を受け入れないとしたのも選択としてはありなのではなかろうか。