朝鮮中央通信によると、4日付の北朝鮮朝鮮労働党機関紙「労働新聞」
は、7月29日に行われた参院選自民党が大敗したことを受け、安倍首
相に辞任を求める論評を掲載した。論評は安倍首相に対して「国民の判決
を重く受け止めるべきだ」とし、「責任を取って権力の座から降りるべき
だ」と求めた。同紙は3日付の論評では、自民党の大敗の理由を「対北朝
鮮敵視政策がもたらした結果だ」などと主張していた。

 

事実上の独裁国家である北朝鮮が民主的な選挙を実施している我が国に対
して、選挙結果が云々などと言う資格はなかろう。自国民を何百万人と餓
死させておきながら、何事も無かったかのように権力の座に留まり続けて
いるのは他でも無い金正日総書記ではないか。社会主義国家でありながら
権力の世襲を行い、金王朝を打ち立て核を始めとした武力にのみ耳を貸し
世界を恫喝する国家、それが北朝鮮だ。

 

自民党の大敗の理由を対北朝鮮敵視政策がもたらした結果などと、どの口
が言うのだろうか。あまりに荒唐無稽な主張に苦笑するしかないが、安倍
首相は拉致問題が契機となって首相への階段を駆け上がってきただけに、
北朝鮮が敵視するのはもっともと言えそうだ。思えば米国もブッシュ政権
中間選挙に敗北したことで、北朝鮮政策を切り替えたわけだが、我が国
はそうならないことを祈るばかりである。