自民党森喜朗元首相は12日、テレビ朝日サンデープロジェクト」な
どの報道番組で、27日予定の内閣改造、党役員人事について「麻生外相
だけでなく、断られてもいいから福田氏、谷垣氏にまず礼を尽くすことが
大事だ。そう安倍首相にも伝えた」と述べた。麻生太郎外相、谷垣禎一
財務相福田康夫官房長官の3氏は平成18年の自民党総裁選前、有力
候補の「麻垣康三」として安倍晋三首相とともに名前が挙がった。森氏は、
かつての“ライバル”を内閣に迎えるよう安倍氏に助言した格好だ。

 

かつて森政権時代に首相経験者が入閣した際には「実力者内閣」と称され
たこともあったが、それが果たして機能したのかは不明であろう。総裁選
を戦ったライバルを内閣に迎えることは、安倍首相とて条件さえあえば敢
えて拒む理由は無いにせよ、非主流派の領袖クラスがわざわざ入閣して安
倍支持を打ち出すことはないであろうし、閣内に反安倍陣営を引き入れる
ことが必ずしも得策とはならないはずだ。安倍首相と考えが近いとされる
麻生外相の幹事長就任が確実視される中、安倍改造内閣は看板だけの「実
力者内閣」が必要とは思えない。森氏の「親心」がかえって安倍首相を困
らせなければ良いのだが。