62回目の終戦記念日を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東
京都千代田区日本武道館で開かれた。天皇、皇后両陛下をはじめ、約6
000人が参列した。戦争犠牲者の高齢化が進む中、参列した戦没者の親
は1人だけで、子や孫などの戦後生まれが目立ち、参列した遺族は477
6人で、45回目の追悼式で過去最少となった。首相として初めて出席し
安倍晋三首相は、式辞で過去の戦争でアジア諸国に与えた損害と苦痛へ
の反省と追悼を表明した。

 

62年と言う歳月が大東亜戦争の記憶を薄れさせていくものであってはな
らない。未曾有の災厄をもたらした戦争だけに、二度と繰り返すまいとの
意思は日本人であれば共有すべきことであろう。ただ気になったのは河野
洋平衆院議長が「海外での武力行使を自ら禁じた、日本国憲法に象徴され
る新しいレジームを選択し今日まで歩んできた」と安倍首相が掲げる戦後
ジームからの脱却を皮肉ったことである。戦後レジームが機能してきた
時代は過ぎ去り、制度疲労を起こしている。我が国だけが内に籠もって平
和を訴えたところで誰も耳を貸さないだろう。そこにタカ派ハト派など
の区別が必要だとは到底思えない、変えるべき点は変える、当然のことだ。