安倍晋三首相は25日夜、アジア歴訪を終えて帰国した。週明けの内閣改
造と自民党役員人事に向、公邸にこもって最終的な検討に入る。参院選
歴史的大敗を喫しても続投を決意しただけに、人心一新は政権建て直しの
重要な手段だが、その作業自体に多くの難題、条件がつきまとう。失った
国民の強い支持や党内の求心力を回復するのは容易ではなく、いばらの道
は続きそうだ。

 

参院選の大惨敗によって進むも地獄、退くも地獄の状況に追い込まれた安
倍首相は、敢えて進む方を選択した。その選択自体が正しかったかは内閣
改造の顔ぶれによって左右されるのではないか。実力者の入閣が予想され
る中で、人事でどこまで安倍カラーを貫けるかが注目される。いずれにせ
よ、参院を押さえられてしまった以上は対民主党のシフトを組まざるを得
ず、難しい政権運営が続くことになる。ただ、人気取りのためのポピュリ
ズムだけは安倍首相にはとって欲しくないものだ。