参院議席与野党逆転で、秋の臨時国会の運営が厳しさを増す中、安倍改
造内閣が28日、政権の命運をかけて本格スタートした。テロ対策特別措
置法など重要法案で対決姿勢を強める民主党小沢一郎代表を牽制し、立
ち向かうための人材を閣僚や自民党の要所に配し、「小沢・民主党シフト」
で論戦を挑む。安倍晋三首相は民主党との対話を模索する一方で、新内閣
を「政策実行内閣」と命名、あくまで政策実現を通じて国民の支持と理解
を求めていく考えだ。

 

参院選の大惨敗の記憶を早く払拭したいところであろうが、安倍改造内閣
の前途は険しいものとなるだろう。どうあっても参院選の結果は変えられ
ない以上、3年後の参院選では今回の民主党並みに大勝をすることで覆す
他は手が無い。2大政党制の流れの中で、かつてのように緩衝勢力のよう
な小・中政党は消えつつある。もはや与党対野党の構図が固定化されたも
のとなり、現に社民党共産党は同じ野党の民主党の候補に票を喰われて
辛うじて比例区で当選者を出せる状態にまで退潮した。

 

安倍改造内閣が如何なる力量が発揮するかは、秋の臨時国会の運営だ。「
(安倍首相)延命内閣」などと揶揄する向きもあるが、テロ特措法の延長
などの重要法案をどう成立させていくか。小沢代表は徹底的に政府を揺さ
ぶる方向で対話はしないとしており、一刻も早く解散総選挙に持ち込むこ
とで、一気に政権交代を実現するのが理想であろう。確かに風頼みとは言
参院選は大勝した、ではその次の一手は何か。スキャンダルを利用する
のでは無く、今こそ政策で戦うべきなのではなかろうか。