安倍晋三首相は12日午後、首相官邸で記者会見し、退陣する意向を明ら
かにした。首相は、夏の参院選での与党大敗を受け、内閣改造に踏み切っ
たが、政権浮揚を果たせなかった上、民主党が対決姿勢を示す中、テロ対
策特別措置法延長問題を抱える臨時国会の乗り切りが難しいと判断した。
自民党は月内にも後継を選出する見通しだ。党内からは、麻生太郎幹事長
のほか、谷垣禎一・元財務相福田康夫・元官房長官与謝野馨官房長官
らを推す声が出ている。

 

このタイミングでの辞任は無いであろう、正に最悪のタイミングである。
所信表明演説はいったい何だったのか、今辞任するのなら参院選の後に大
敗の責任を取って、との理由ならまだ格好がついたものの、これではしば
らく時間を置いての再登板など夢のまた夢だ。これによって安倍政権を追
い詰め、衆院解散に持ち込みたかった民主党の気勢を削ぐ形になったとは
言え、無責任の謗りは免れまい。唐突過ぎる辞任に我が国の国民も、この
ような人を首相として行く末を任せていたのかと怒りを憶えるよりも、呆
れると同時にため息が出てくるのではなかろうか。自民党は後継候補を至
急選出し、政治的空白を少しでも減らすことが必要である。