韓国の盧武鉉大統領は2日午前、金正日総書記との南北首脳会談に臨むた
め陸路で北朝鮮入りした。金総書記は歓迎式典会場の4.25文化会館で
大統領を出迎えた。4日までの滞在中、両首脳は2回以上会談して朝鮮半
島の平和体制構築や経済協力拡大などを議論する見通しだ。韓国大統領の
訪朝は00年6月の金大中氏以来7年ぶり2回目。会談の行方は核問題を
巡る6カ国協議や日朝関係など東アジア情勢にも影響を与えることになる。
オープンカーで歓迎式典会場に現れた盧大統領は、金総書記と握手。北朝
鮮の市民らは「マンセー(万歳)」などと叫びながら歓迎した。

 

韓国の大統領選を12月に控え、与党候補が世論調査では不利な状況の中
で、正にタイミングを見計らった形での盧武鉉大統領の北朝鮮入りが実現
した。むろん南北融和をアピールするためだけのものではなかろう。死に
体状態の盧武鉉大統領が金正日総書記にどのようなお土産を持っていった
のかが注目される。北朝鮮金正日体制の延命装置として惜しげもなく支
援をしてきた韓国で、野党勢力が政権を握ればこれまでのような支援は望
むべきもない。それを金正日総書記が恐れるのは言うまでもない、米国と
の「手打ち」が実現間近のところで、一押しが必要と判断したのだろう。
融和を叫ぶのは勝手だが両者の思惑が何所にあるのかを見失ってはならな
いのではなかろうか。