民主党渡部恒三最高顧問の政治団体「新時代の会」が93年〜04年の
12年間、事務所の活動実態がないのに、秘書だったおいの佐藤雄平・福
島県知事の自宅マンションを「主たる事務所」として総務省に届け出てい
たことが分かった。同会は12年間で事務所費や光熱水費など経常経費と
して1億7800万円を支出していた。渡部氏と佐藤知事は名義の貸し借
りを認めている。総務省によると「主たる事務所」は「政治活動の中心と
なる場所」とされている。

 

政治とカネの問題が自民党参院選で大敗に追い込んだ一つの要因となっ
たわけだが、突けばどの政治家にも当てはまりそうなことだっただけに、
民主党にも飛び火するのは必至であった。そうして出てきたのが民主党
最高顧問を務める渡部氏、本人は「後援会活動にかかった経費を計上して
おり、法的に問題はなく(やましいことは)百パーセントない」と述べて
おり、週内にもきちんと報告するとしている。

 

民主党にとっては安倍前首相の突然の辞任から3週間、ようやく福田首相
所信表明演説が終わり、さて代表質問に移ろうかと言う時に実に間の悪
い話であろう。政治とカネの問題は与党だけで無く野党も所詮は同じ穴の
ムジナであると国民に思われては、参院選で起こした「風」そのものを失
いかねない。民主党鳩山由紀夫幹事長は「まずはご本人からしっかり説
明いただきたい」としたが、苦々しく思っていることは間違い無さそうだ。