韓国の与党系最大政党、大統合民主新党は15日、年末の大統領選候補者
を決める党内選の結果、鄭東泳元統一相を党公認候補に決めたと発表した。
すでに保守系最大野党ハンナラ党の公認候補に選ばれ、10年ぶりの保守
政権奪還を目指す李明博前ソウル市長との事実上の一騎打ちとなる可能性
が高い。鄭氏は以前テレビキャスターだった知名度に加え、民主新党の前
身の旧与党ウリ党で議長などを務めた実績で幅広い支持を獲得。ただ、韓
国紙の世論調査で支持率は10%程度にとどまり、50%超の李氏に大き
く引き離されている。南北首脳会談での南北融和の前進を、民主新党や候
補の支持率アップにつなげる民主新党のもくろみも不発。今後は党内選の
しこりを乗り越え挙党態勢が築けるか、李氏が掲げる「経済回復」に対抗
できる説得力ある政策を改革勢力としてどう示せるかが焦点となる。

 

南北首脳会談が形式的なものに終わり、韓国の世論は金大中前大統領と金
正日総書記との会談が実現した時のような熱狂は起きなかった。党内選挙
を行ったことで民主新党の公認候補が一応はまとまったものの、直接投票
投票率は10%台と言う低さで、野党ハンナラ党との勢いの差は歴然で
ある。鄭東泳元統一相は「金大中氏の国民政府、盧武鉉氏の参与政府に続
いて、統合の政府を作ろう」と3代目の進歩勢力結集を呼びかけ、「差別
なき経済成長、家族の幸福時代を目指す」と宣言をしたが、支持率低迷に
あえぐ与党候補の切り札だった南北首脳会談は、実のない会談であること
を国民に見抜かれた結果、あっけなくスルーされてしまった。10年続い
た革新勢力に嫌気がさしているとも言えそうだが、むろんこのままただで
終わることがないのも選挙である。盧武鉉大統領もまさか当選するとは誰
もが思っていた中で当選したのだ。12月の選挙までは野党もまだまだ油
断は出来ないだろう。