民主党小沢一郎代表は13日午後の記者会見で、次期衆院選について「
大目標は単独過半数だが、それは非常に厳しい目標でもある。野党で過半
数を取るのが次善の策で、三善の策は衆院で第1党を目指す」と述べ、自
民党の獲得議席を上回ることを最低目標に掲げた。小沢氏はこれまで「衆
院選で(野党が)過半数を取ることが最大の目標」と強調してきた。この
日の発言は、民主党衆院第1党になっても、自民、公明両党で過半数
占めた場合を想定したもので、事実上、党代表としての勝敗ラインを引き
下げた格好だ。

 

先の参院選で大勝したことで最低でも3年間は参院を押さえることが出来
る状況を作り出し、いよいよ政権交代が近付いてきたかに見える民主党
だが小沢代表の辞任騒動での会見にあったように、民主党が次期衆院選
そう簡単には勝たせてもらえないとの認識を持っているようだ。郵政解散
の時にしても、争点を一つ絞ると言う「シングル・イシュー」戦略によっ
て小泉自民党は歴史的大勝を果たした。その遺産が現在の巨大与党なのだ
が、風が吹くたびに議席数が大きく変わる状況が良いものなのか、小選挙
区制度とはそう言うものと割り切るほかあるまい。

 

共産党が次期衆院選では小選挙区の候補者を絞り込むとの方針を示してお
り、各選挙区に一定の票を持っていただけに、民主党に票が多少なりとも
流れれば、拮抗する選挙区では野党の戦力となるだろう。先の参院選では
公明党創価学会の集票力に陰りが見られ、大幅に得票数を減らすと言う
惨状を呈していた。野党が過半数を取れる可能性も十分にあり、小沢代表
の発言は予防線とも見ることが出来るだろう。