約5000万件の該当者不明の年金記録のうち、約4割が「名寄せ」作業
による持ち主の特定が困難になっていることが11日明らかになり、野党
から一斉に批判の声が上がった。与党は7月の参院選で「3月までに名寄
せを完了させる」と公約していただけに、野党は国会で徹底追及する構え
で、舛添厚生労働相の辞任を求める声も上がった。民主党の小沢代表は1
1日の記者会見で「公約違反であると同時に、国民の年金制度を維持管理
している政府の責任は非常に大きい」と指摘。町村官房長官が同日午前の
記者会見で「選挙なので『年度内にすべて』と縮めて言ってしまった」と
述べたことについて、「国民をぼうとくし、責任を回避する、無責任な言
い草だ」と厳しく批判した。

 

年金問題がここまで与党にとって致命傷をもたらすものだとわかっていて
も、選挙対策としては年度内にすべて名寄せを完了すると言ったのは当然
と言えば当然だ。現実に名寄せ作業の完了そのものが不可能であるとわか
ってしまった以上は、国民に対して真摯に謝罪をすべきだ。安倍政権を崩
壊させる一因となった年金問題は、そもそも現政権に責任がある問題では
無かったはずだが、政治的に利用され野党にとって与党を叩く格好の材料
でしかなくなってしまった。本当に国民のためを思うのであれば、選挙前
であろうがなかろうが、与野党が知恵を出し合って対策を講じるべきでは
なかったのではなかろうか。それだけに多くの禍根を残しているのだ、与
党の無責任な公約は批判されて当然だが、野党も政権交代を狙うのであれ
ば責任ある行動を取って欲しいものだ。