自民党は11日の選挙対策委員会で、次の総選挙における候補者の公認基
準を決めた。比例区名簿での優遇は原則廃止し、競合する現職が小選挙区
比例区で交互に立候補する「コスタリカ方式」も新たには認めない。郵
政解散に伴う05年総選挙で優遇されて大量当選した「郵政初当選組」に
は厳しい内容となり、2期目に向けて生き残りをかけた動きも出てきた。
この日の会合では、古賀誠委員長が先週までの全国行脚を報告した後、新
たな候補者選定基準について説明した。新基準は、郵政初当選組にとって
は再選の道を閉ざしかねない内容だ。比例単独だった人はもちろん、小選
挙区で勝ち残った復党組と競合する人も戦う場すらなくなる可能性がある。

 

郵政選挙で大量に生まれた新人議員で本当に議員としての力を持っていた
のは、ほんの一握りに過ぎないであろう。数だけは82人と言う大勢力で
ありながらも、小泉政権が終わってからは郵政造反組が復党したり、逆風
が吹き続けている。参院選での大惨敗をうけて政権交代が現実のものとな
りつつある中、勝てる候補選びに専念するのは当然のことだ。郵政選挙
自民党内の勢力争いがそのまま選挙になったようなものだったため、これ
まで同じ釜の飯を食っていた造反議員に新たな刺客を送り込む手法であっ
た。刺客には比例名簿に上位で登載すると言うセーフティーネットを用意
されており、負けたところでリスクそのものは少なかったと言える。さら
に比例単独の候補など、上位に登載されてさえいれば当選が約束されてい
たようなものだ。また、棚ぼた的に当選した名簿下位の候補も同様のこと
が言える。彼ら新人議員が生き残るためには、よほどの力が無ければ公認
すら得られないのではなかろうか。