民主党小沢一郎代表は18日の記者会見で、東京10区出馬が内定した
元大学准教授・江端貴子氏を同席させ「全力で当選させなくてはならない」
と訴えた。自民党小池百合子元防衛相と対決する注目区だが、小沢氏が
定例会見で候補者を紹介するのは珍しい。会見で小沢氏は「首都圏は一都
三県、関西は大阪、兵庫、九州で言えば福岡。そういうところで何として
過半数(の議席確保)を目標にしなければいけない」と、大都市重視で
臨む方針を強調した。背景には、都市部には小選挙区の数が多い事情があ
る。前回2005年衆院選民主党は大都市圏で惨敗し「ここで回復のバ
ネを働かせないとトータルの過半数は難しくなる」(小沢氏)。地方の「
一人区」が勝敗のかぎを握った参院選とは逆に、都市部の戦績が政権交代
のかぎを握るというわけだ。

 

郵政選挙の象徴的な選挙区であった東京10区。造反した候補に対して、
小池百合子氏が刺客として名乗りを上げ、兵庫6区から鞍替えして落下傘
候補として降り立った。結果は知っての通り小池氏の圧勝に終わったわけ
だが、この象徴的な選挙区に民主党が勝てる候補を立てようとするのは当
然であろう。東京の25ある選挙区では菅代表代行を除けば、先の郵政選
挙では全て落としている。都市部に強いとされた民主党も、猛烈な風が吹
き荒れる中では弾き出されるだけに終わったのだ。 ただ、東京10区で
は、郵政民営化に反対して小池氏に敗れた小林元衆院議員が、国民新党
亀井静香代表代行を通じて民主党に「推薦依頼をしている」とされており、
野党の選挙協力にもひびが入らないとも限らない。次期衆院選がいつにな
るかは見通しは不明だが、福田政権に年金問題と言う逆風が吹く中で、民
主党がすべきことは地道な対策でしかない。