パリで北京五輪聖火リレーが妨害されたことなどを受け、中国で仏製品
不買運動が起きている。「05年の反日デモの再来」と言われるほど民
族主義が高揚しており、当局は各大学にデモや集会を警戒する通達を出し
たり大使館の警備を強化したりするなど対策に乗り出した。中国内で11
2店を展開する仏大手スーパー「カルフール」での不買を呼びかけるチェ
ーンメールが携帯電話で出回っている。「カルフールの大株主はダライ・
ラマ14世勢力に巨額資金を提供し、大統領も北京五輪に反対している。
大手ポータルサイトでも、ルイ・ヴィトンなど高級ブランドへの批判や「
仏製から国産品に切り替えよう」との呼びかけが書き込まれている。

 

フランスにとって中国は非常に大きく、今後も成長していくであろう有望
な市場である。現にサルコジ大統領が昨年11月訪中した際に3兆円規模
の商談をまとめ、経済的な面においては良好な関係が築かれていた。だが、
パリで行われた北京五輪聖火リレーでは抗議や妨害が相次ぎ、トーチの
炎が消され、バスで聖火を終着点まで運ぶなど大荒れとなり、コースを予
定の3分の2に短縮せざるを得なくなった。これを受けての中国でのフラ
ンス製品の不買運動なのであろうが、五輪と言う国威を示すイベントを控
える中国国民のナショナリズムの高まりがそうさせるのであろうか。中国
外務省の報道局長は記者会見で中仏関係に与える影響について「友人でい
たいなら共に努力するものだ。フランスは中国人民の声を聞いてほしい」
不買運動へ共感を示すなど、お得意の友人・友好を訴えている。では、
中国に聞こう。何故、聖火リレーがこうまで妨害させれるのか。本当の友
人とは耳の痛いことも言ってくれる間柄のことだ。