議員辞職に伴う衆院山口2区補欠選挙が15日、告示される。福田政
権発足後初の国政選挙で、政府、与党が復活を目指す揮発油税の暫定税
率をめぐる国会攻防に大きな影響を与えるのは確実だ。27日に投票、
即日開票される。立候補を表明しているのは国土交通省出身の元内閣審
議官で自民党山本繁太郎氏と、前回衆院選小選挙区で落選し比例中
国ブロックで当選した民主党平岡秀夫氏。共産党は擁立見送りを決め
ており、同党支持票の動向も勝敗に影響しそうだ。山本氏は公明党の推
薦も受け、分厚い組織が頼み。14日に山口県岩国市内で開かれた決起
大会で、自民党古賀誠選対委員長が「天下分け目の戦い。必ずや勝利
させてほしい」と気勢を上げた。平岡氏は社民党が推薦。鳩山由紀夫
事長や菅直人代表代行ら幹部を続々選挙区に投入し、暫定税率廃止など
を柱に「福田康夫首相の失政」を攻撃する戦略だ。

 

野党に締め付けられる福田政権にとって、この補選で勝利することが出
来れば与党の政策に一定の信任が得られたと判断することであろう。た
だ、与党は補選直後にガソリン税暫定税率を維持する税制関連法案を
衆院で再可決する構えを崩しておらず、1リットル当たり約25円下が
ったガソリン価格の再値上げが控えているとなると、票が野党候補に流
れる恐れは十分にある。与野党ともにこの補選の勝敗の如何によって、
少なからず国政が左右されるだけに、続々と幹部を送り込み、底上げを
図っている。与党にとっての不安材料は、暫定税率の問題だけでは無く、
15日から保険料の天引きが始まる後期高齢者(長寿)医療制度の混乱
は、比較的投票に行くとされる高齢者が与党の失政と見て、野党に票を
投じるのか。自民党古賀誠選対委員長が「天下分け目の戦い。必ずや
勝利させてほしい」と叫ぶのも、十分にわかる補選となりそうだ。