上野動物園ジャイアントパンダ、リンリンの死について、石原慎太郎
知事は2日の定例会見で、「御神体じゃないんだから、いてもいなくても
いいんじゃないの」などと述べた。中国からのパンダ獲得に日本政府が意
欲を示す中、知事の冷めた反応に園を管理する都職員から戸惑いの声が漏
れた。石原知事は「生きてるものは死ぬんだから。パンダだって死ぬだろ
うし。世界は狭くなったんだから、見たけりゃいるとこ行って見てきたら
いい」と答え、無関心な様子を見せた。リンリンが死んだ4月30日には、
小宮輝之・同園園長が会見で「シンボルがいなくなって残念。機会があれ
ばまた、チャレンジしたい」などと話している。

 

中国は70年代各国との関係発展のために相手国にパンダを贈呈する、い
わゆる「パンダ外交」を展開してきたわけだが、リンリンが死んだことで
日本政府として新たに2頭のパンダの貸与を要請していることを、福田首
相が公式に認めている。そう言った中での石原都知事の発言は、たかがパ
ンダによって政治が振り回されてはならないと、警鐘を鳴らしたと言うこ
となのではあろうか。いずれにしても、上野動物園と言えばパンダとのイ
メージが強かったとは言え、必ずしもパンダが飼育されていなければなら
ないわけでもなかろう。つがいで借り受ける場合、繁殖研究支援費と言う
名目で年間1億円以上を中国に支払う必要が発生するとされており、果た
してそこまでの負担をする必要があるのか、上野からパンダがいなくなっ
た時だからこそ、考えるべきなのではないか。