牛肉の産地を偽装表示していた高級料亭「船場吉兆」が、本店の料亭部門
で客が残した刺し身やアユの塩焼きなどの料理をいったん回収し、別の客
に提供していたことが2日、関係者の証言でわかった。料亭経営を取り仕
切っていた当時の湯木正徳前社長の指示で昨年11月の営業休止前まで常
態化していたとみられる。一連の不正表示とともに、老舗の高級料亭とし
てのモラルが改めて問われそうだ。大阪府警も従業員らの事情聴取で、こ
うした証言を把握している。

 

とんだ高級料亭だ、としか言いようが無い。このようなことが常態化して
いたとあっては、高級どころでは無く、サービス業の風上にも置けない店
であろう。料理長は「私のかい性もなかったのかもしれない。お客さまに
申し訳なく、恥ずかしくて言えなかった」とうなだれたものの、この事実
を隠した上で再出発などと良く言えたものだ。肝心の社長は外出中とのこ
とで姿を見せなかったようだが、連休の間は雲隠れでもするつもりか。「
落ちるところまで落ちていたということか。もう、立ち直れないかもしれ
ないな」との地元の商店主のコメント通り、これで船場吉兆は文字通り終
わりである。少なくとも高級料亭の看板を掲げて商売をするのは、二度と
出来はしないだろう。情報を小出しにし、バレたら謝る、そんな姑息なま
ねはコンプライアンスが重視される中で、通用するわけがないのだ。