中国・四川大地震で、中国政府は26日も被災者の生活支援と2次災害の
防止に全力を挙げた。大きな被害が出た四川省綿陽市北川県の上流では、
土砂崩れのため川がせき止められてできた「唐家山・土砂ダム」の水位が
一段と上昇、決壊の恐れが強まる中、軍部隊や武装警官ら計1800人が
同日未明、徹夜で排水に向けた作業を続けた。新華社によると、26日午
前0時半すぎ、爆薬やスコップなどを持った武装警官の一部が現地に到着。
現場は悪天候が続いており、作業は難航しているもようだ。一方、新華社
によると、25日に綿陽市に隣接する四川省広元市青川県で発生したマグ
ニチュード6・4の余震のため、陝西省漢中市で4人が死亡したことが判
明。余震の死者は計6人、負傷者は数百人に上った。4人は田植え中で、
付近の高圧線が余震で切れ感電死したとみられる。中国水利省は25日、
被災地では土砂ダムが35カ所でできており、下流の住民ら70万人以上
が危険にさらされていると発表。

 

四川大地震による死者は6万人以上と増え続けているが、余震が今なお続
き被災者は不安を感じずにはいられないだろう。さらに悪天候が続き、土
砂崩れのために出来た「土砂ダム」の決壊が予想され、2次災害を防ぐた
めに軍や警察が動員され、引き続き作業にあたっている。これ以上の被害
者が出ないことを祈るばかりだが、被害状況の詳細が伝わるにつれて、如
何に大きな地震であったかを嫌でも知ることになる。国家の威信をかけた
北京五輪を前にして、重大な事態に直面をしている中国がどう対処してい
くか、人民だけで無く世界が注視しているのだ。中国内の報道では美談ば
かりが伝えられ、実態をぼかしているとの批判もある。それが中国らしい
と言えばそれまでだが、その中国らしさを変えていく機会にはなるのでは
ないか。これだけの被害を経験してまで、そこから何も学ばないようでは、
間違い無く人民の心は政府・党から離れていくことであろう。