無所属の平沼赳夫経済産業相が29日までに、夕刊フジのインタビュー
に応じ、内閣支持率下落が著しい福田康夫首相を「すべてがひとごとで、
国民の気持ちが分からない」と批判した。その上で次期衆院選の前に「3
0人擁立」規模の新党の結成を選択肢に入れていることを明らかにした。
また、平沼氏は同日に発足した超党派保守系地方議員らのグループ「日
本国民フォーラム」の最高顧問に就任。発足総会での講演で「全国から政
治の流れを変えようと声が寄せられている。拙速は許されないが、新党も
将来の構想に入れ、日本を希望の持てる国にしたい」と語った。また平沼
氏は政府・与党が検討中の消費税などの増税に反対する考えを強調した。

 

郵政解散自民党を追い出され、行き場を失った保守系議員の受け皿とし
ての平沼新党の結成は、かなり前から報じられてきた。郵政民営化に反対
し、刺客候補を退けた造反議員の大半は自民党に復党したわけだが、平沼
氏は無所属を貫き、ねじれ国会のもと政治が混迷し続ける中で、一定の影
響力を発揮してきた。平沼氏はインタビューで「日本にとって第三極がで
きることはいいことだ。私がいま取り組んでいるのは、ブレない筋の通っ
た保守政治家を養成すること。郵政民営化に反対して落選した優秀な元国
会議員5人と、全国の地方議員など8人、計13人を応援している」と話
しており、自民党内のグループである「真・保守政策研究会」とも連携を
強化している。むろん新党が結成されたからと言って、現役の議員がそこ
に馳せ参じるわけではなかろう。第三極の政党となれるかは、議会制民主
主義においてはそれなりの議席数が必要とされている。