牛肉の産地偽装事件や料理の使い回しで経営が悪化、廃業した高級料亭「
船場吉兆」の30代の元女性従業員が31日、大阪市内で記者会見し、客
が手を付けなかった料理を料理人が毎回、別の容器に移していたことを明
らかにした。女性は「湯木正徳前社長が調理場で『何を捨てているんだ』
と叱責しているのを聞いた」と証言した。女性によると、船場吉兆本店で
は28日朝、女将の湯木佐知子社長が涙ながらに廃業の経緯を説明、謝罪
した。弁護士が退職手続きの紙を配り、荷物をまとめて出て行くよう指示。
その場にいた従業員はぼうぜんとしていたが、店の片付けや運び出しに忙
殺されたという。女性は「説明もなく突然解雇された。とにかく説明がほ
しい」と訴え、会社側に交渉を求めた。

 

やってきたこともやってきたことなら、廃業の仕方もひどいものであった
ようだ。客の食べ残した料理の使いまわし、それをさも高級であるかのよ
うに振舞っていたと言うのであるから、虚構の高級料亭であるとしか言い
ようが無い。このような店が無くなるのは至極当然であるが、少なくとも
そこで働いていた従業員には、それ相応の報いは必要ではなかろうか。利
益を追求して、産地の偽装や料理の使いまわしに手を付けて、賞味期限の
偽装に関しては現場のパート従業員がやったこと、などと言い訳をしたと
思えば、料理の使いまわしは多くの不祥事が発覚した後に、おそらく内部
告発によるものであろうが、わかったことである。これだけ見ても如何に
リスクマネジメントが無い店であったことが、手に取るようにわかる。こ
のような店で働いていた従業員は不幸そのものだ。