国民新党亀井静香代表代行は9日、BS11デジタルの報道番組「イン
サイドアウト」に出演。6日の参院本会議での採決が先送りされた、池尾
和人慶応大教授を日銀審議委員に起用する国会同意人事について「民主党
が賛成すれば参院での統一会派を解消する」と改めて表明した。亀井氏は、
民主党が11日に提出する方針の首相問責決議案についても「政策で一緒
にやっていける自信がなければ同調できない」と強調。賛成しない可能性
を示唆した。

 

国民新党が池尾慶大教授を日銀審議委員に起用することに反対する理由は、
郵政民営化賛成論者であるからと言うことだが、参院単独過半数を握っ
ているわけではない民主党にとって、国民新党統一会派を抜けられると
参院を押さえることで与党をゆさぶる戦術をとりにくくなる。これに配慮
した結果、民主党鳩山由紀夫幹事長が指示し、党財政金融部門会議で不
同意の了承を取り付けていたが、与党に要請するかたちで同意人事案につ
いて、10日午後の本会議での採決を見送ることを決めたことにより、採
決は次の臨時国会に持ち越される見通しとなった。国民新党の恫喝まがい
の表明に民主党が配慮したようだが、もともと同意の方向だったものを、
数の力を維持するために先送りを選択したのだ。この決断は民主党の限界
を示すものではなかろうか。民主党単独で与党と対峙することが事実上出
来ないことを証明したことであり、他の野党に常に配慮をしなければなら
ないのだ。これでは与党に足下をすくわれる可能性も否定出来まい。