民主党は11日午後、福田康夫首相への問責決議案を参院に提出する。同
日の参院本会議で共産、社民両党を含む野党の賛成多数により現憲法下で
初めて首相問責決議案が可決される見通し。与党はただちに衆院に内閣信
任決議案を提出し、12日の衆院本会議で可決して対抗する方針だが、問
責決議案が可決されれば首相の政権運営への影響は避けられない。民主党
は問責決議案提出の理由について「後期高齢者医療制度年金問題、防衛
省不祥事への首相の対応は不十分で信任できない」と説明。決議案の可決
後、共同提出する社民党とともに衆参両院で審議拒否に入る。一方、与党
は問責決議案が可決されても、12日の衆院本会議で、野党が提出した新
医療制度廃止法案の趣旨説明を行い、審議入りする構え。「民主党は廃止
法案を審議する気がない」とアピールし、揺さぶりをかける狙いだ。

 

民主党が提出する福田首相への問責決議案には法的な拘束力は無く、衆院
での内閣不信任案決議とは違って伝家の宝刀とは足り得ないものだ。それ
でも民主党がこのタイミングで提出してきたのは、国会の会期末と言うこ
ともあるだろう。とりあえず使えるものは使っておくとしたは良いが、国
会を一時的に空転させる程度の結果しか生まないであろう。与党は野党4
党提出の後期高齢者医療制度廃止法案を衆院で審議入りさせ、民主党など
に出席を求めて揺さぶりをかけることになる。野党が後期高齢者医療制度
に対抗する形で提出した法案を、放置したまま審議拒否を続けるのであれ
ば、それはそれで本末転倒となる。あくまで儀式のような問責決議案提出
だが、民主党としてもアピールするために出しただけでは、参院第一党と
しての役割を果たしているとはとても言えないのではないか。これでは問
責決議案が竹光であると揶揄されるのも否定は出来ないと言っておこう。