福田康夫首相は30日、首相官邸自民党伊吹文明幹事長と8月の内閣
改造に向けた調整を進めた。首相は31日夕に若林正俊農相と甘利明経済
産業相から世界貿易機関閣僚会合の帰国報告を受けた後に決断し、与党側
に伝える考えを明らかにした。改造時期については8月4日など同月初旬
が与党内で有力視されている。首相と伊吹氏の協議には町村信孝官房長官
が同席。首相は「WTOの報告をよく聞いて、交渉の過程もよく聞いて、
改めて自分の決断、考えを党と相談する」と表明。30日夜には記者団に
「寝る間もなく交渉してくれた2人の閣僚の苦労を考えて、けじめをきち
っとつける」と強調。31日に決断するのかという質問には「そういうこ
とをしながら考える」と応じた。

 

WTOの交渉で難儀した若林正俊農相と甘利明経済産業相が帰国し、いよ
いよ改造に向けて動き出した福田首相。この改造の結果、低迷する福田政
権が多少なりとも支持されるようになるのか、効果が甚だ微妙なところだ
けに、顔ぶれ次第では反応が無い恐れもある。国民に人気のある議員が閣
僚になる、そんな単純に理由だけで、支持が得られるとは考えてはならな
い。改造の目的が単に政権浮揚のためであるなら、福田政権は長続きはし
ないであろう。衆参ねじれと言うかつてない状況の中で、辛うじて衆院
の優位を利用して国会を乗り切ってきた事情もあり、解散総選挙に打って
でるタイミングを十分に見計らう必要がある。改造後の支持率がどれほど
になるのか、与野党ともに注視しているのは間違いない。