自民党総裁選への出馬を表明している与謝野馨経済財政担当相、石破茂
防衛相らは6日午前、テレビ番組などで相次いで決意を述べ、週末を利用
した前哨戦の舌戦がスタートした。麻生太郎幹事長、小池百合子元防衛相
はそれぞれ広島、秋田両県などで講演。石原伸晃政調会長は都内で公約
の準備を進める。与謝野氏は、5人以上の候補による乱戦となりそうな総
裁選について「それぞれ持ち味がある。いろいろな議論を国民の前に展開
できるのではないかと期待している。私も一生懸命議論したい」と、都内
の自宅前で記者団に強調。石破氏は日本テレビ番組に出演し、麻生氏優勢
が伝えられていることを念頭に「負けると思って戦いに臨んではいけない。
戦いは全力でやって結果を待つ」と表明。「今改革が必要だが、痛みがあ
ちこちに出ている。思わぬ出血があったら輸血しなければ手術が成功しな
い」と景気対策の必要性を訴えた。

 

大派閥が自主投票を決め、派閥の締め付けを解かれたことが5人以上もの
候補が総裁選に出馬することを決めた最大の要因となったのではないか。
麻生氏優位は揺らいではいないが、対抗馬となるのは自民党内でも政策通
として知られる与謝野氏が、どれだけ反麻生票を集められるか注目が集ま
る。逆に小池氏は与謝野氏の出馬によって、一転して苦しい立場に立たさ
れた。構造改革路線の継承者として、財政出動による景気対策を掲げる麻
生氏と対峙するつもりが、同じく改革路線を掲げる石原氏の登場によって
埋没してしまう可能性が出てきた。石破前防衛相は、所属する津島派が第
2派閥ながらこれまで総裁選へ候補擁立を見送ってきたが、これに対して
派内からも相当な不満が出ていたため、派として支援はしないとの条件付
きながらも、推薦人を集めることに成功した。これだけの人数が経つとな
ると、1回の投票では過半数を得ることが難しくなり、決選投票は避けら
れないだろう。その際に誰と手を結ぶかによって、その後に影響があるだ
けに、多少なりともしこりが残りそうな展開になることが予想される。