民主党山岡賢次国会対策委員長は17日、国会内で自民党大島理森
対委員長と会談し、臨時国会での衆院解散を条件に今年度補正予算案の成
立に協力する「話し合い解散」を提案した。野党側から審議の促進を呼び
掛けるのは異例。与党は国会冒頭での解散を念頭に置いており、大島氏は
「新首相が考えることだ」として明確な回答を避けた。山岡氏は衆参両院
での補正予算案の審議について最短で10月6日から9日までの計4日間
とし、民主党の主張を反映して修正する案を提示。「いたずらな審議の引
き延ばしはしない」とも語った。与党側は大幅な修正は困難との立場で、
大島氏は記者会見で「建設的に考えられる申し入れではない」との見方を
示した。ただ政府・与党内でも米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破
綻などを踏まえ、「審議要求にはある程度、応えていかざるを得ない」と
の声が出ている。民主党の提案は与党が想定する「10月14日公示―2
6日投開票」の早期解散シナリオに影響を与える可能性がある。

 

民主党としては、自民党総裁選の結果に誕生する新首相の熱気が冷ねぬま
まに解散するのは防ぎたい思惑があるのだろう。話し合い解散に協力する
と言う姿勢を見せつつも、いざ補正予算案の審議が始まればどうなるか、
政権奪取を至上命題にする小沢代表なら、当然引き延ばしにかかることだ
ろう。その間に国民新党との合併を進め、さらに選挙を前にした新首相と
閣僚を叩くことに専念するのではないか。そのような疑念が拭えない以上
は、話し合い解散に応じたくはないのが本音であろう。ただ、自民党とし
ても政権放り出しの謗りを無視するわけにもいかず、ここで大人な対応を
しておくと言う算段も働くかもしれない。世界的に金融不安が広がる中で、
政権の奪い合いに終始していては、ますますジャパン・パッシングは続く
ことであろう。バブルの後遺症に苦しみ続けてきた我が国だからこそ、多
少なりとも貢献出来る点はあるはずだ。提案に乗るか反るかは新首相の判
断次第である。