日刊ゲンダイ夕刊フジ東京スポーツ内外タイムスの4紙でしのぎを
削っている夕刊紙だが、ついに不況の波が押し寄せてきた。10月から日
刊ゲンダイと夕刊フジの2紙のみが現行の120円から130円に値上げ
する。部数低迷、キヨスク店舗の減少、コンビニでの売り上げも伸び悩ん
でいる現状から10円上げることにより収益アップを図ろうという目論み
の様子。この2紙の売り上げの反応をみて、東京スポーツ内外タイムス
も追随する方針のようだ。年内には4紙すべてが130円となりそうだ。

 

夕刊紙の需要は減るばかりだが、追い討ちをかけるかのように紙代の高騰
ときては、ひとまずは小幅の値上げで目先の利益を確保する方向にいかざ
るを得なかったようだ。たかが10円とは言え、これによって買うのを止
める読者もいるであろうし、部数の低迷を考えれば付け焼刃ではなかろう
か。夕刊紙はスポーツ紙同様に、団塊の世代が通勤途中に買って読むこと
が多かっただけに、団塊の世代が退職していく中で共に衰退していくのは
予想されていたことだった。むろん、新聞業界全体が新聞離れに歯止めが
かからず、新たな収益源を発掘するには至っていない。夕刊紙の値上げは
業界全体に波及していく可能性がある。値上げ分と読者減の見極めが出来
次第、踏み切る新聞社もあるのではなかろうか。