麻生太郎首相は29日午後の衆院本会議で、就任後初の所信表明演説を行
った。首相は所信を述べるに当たり、参院で主導権を握る民主党のこれま
での国会対応を「政局を第一義とし、国民の生活を第二義、第三義とする
姿勢に終始した」と厳しく批判。同党に対し「合意形成のルールを打ち立
てるべきだ」と協議を呼び掛けた。同時に、「喫緊の課題についてのみ主
張を述べた上で、民主党との議論に臨むものだ」と強調、対案や党として
の見解を示すよう求めた。首相が所信表明演説などで、野党の考えをただ
すのは異例だ。政権を懸けた次期衆院選を控え、民主党小沢一郎代表と
政策論争に持ち込むことで、自身の政権担当能力をアピールする狙いと
みられる。

 

麻生首相は日本のあるべき姿として「強く、明るくあらねばならない」と
表明し、実現のための緊急の課題として「日本経済の立て直し」を挙げた。
当面は景気対策、中期的に財政再建、中長期的には改革による経済成長の
3段階で取り組む道筋を示したものの、民主党に対して注文を付けたよう
に、次期衆院選で与党が過半数を押さえたところで、参院を野党に押さえ
られている状況は全く変わらない。民主党に手を突っ込んで、過半数を回
復するくらいしか手は無く、出来ることには限界がある。むろん、とにか
く与党を追い込んで、政権さえ取ってしまえばこちらのものと言う民主党
と言うか小沢代表のやり方も如何なものか。与野党が話し合いでより良い
政策を目指していく、そのような姿を期待するのは与党だけであろう。そ
れでは野党は与党のお膳立てをするだけで、いつまで経っても野党のまま
だ。合意形成のルール作りを試みるうちに、破談になるのがオチではなか
ろうか。