米国の年末商戦が「感謝祭」明けの28日、本格的にスタートした。米小
売業界は年間売上高の約4割をこの商戦で稼いでいるが、金融危機の影響
で消費者心理は一段と冷え込んでおり、厳しい商戦が予想される。ニュー
ヨーク中心部にある大手百貨店メーシーズの店舗では、早朝午前5時の開
店と同時に大勢の客が訪れ、40%引きの衣料品や均一価格のアクセサリ
ーなどが人気を集めた。米国では、感謝祭翌日の金曜日は「ブラック・フ
ライデー」と呼ばれる。年末商戦が本格化するこの日を境に、業績が「黒
字」に転じる企業が多いためだ。今年は、27日にセールを始めた格安量
販店のKマートのように、1日早く商戦に入る店も目立った。

 

金融危機の影響は借金をしてでも消費を続けてきた米国経済を直撃してい
る。米国の小売業界にとって、年間売上高の4割を稼ぐと言う年末商戦で
コケるようなことがあれば、年は何とか越せても年度を越すことは難しく
なる恐れがある。例えばこれまで子供のプレゼントに100ドルを充てて
いたところを50ドルとする、そう言ったケースは珍しくはないのではな
いか。物が売れないと企業の業績が悪化し労働者の賃金が低下する、賃金
が少ないから物を買わない・・・と悪循環に陥れば、このスパイラルを脱
出するのは難しくなる。次期大統領のオバマ氏が瀕死の状態にある米国経
済をどう救うのか、米国民にとって最大の関心事であろう。まずは年末商
戦で大コケをしないことが前提となる。