北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の首席代表会合は4日目の11日午前、
北京の釣魚台迎賓館で各国が2国間など個別会談を進める一方、議長国・
中国の楊潔チ外相が各国首席代表と会見した。北朝鮮の核申告の検証方法
に関する文書合意は暗礁に乗り上げており、中国は休会を宣言する見通し。
前日までの会談では、北朝鮮が中国提示の文書草案に基づく交渉を拒否し
たため、議論は入り口の段階で膠着した。米首席代表のヒル国務次官補は
11日朝、記者団に「我々はこれまで議論を積み重ねてきており、取引す
る立場ではない。あとは北朝鮮次第だ」などと述べ北朝鮮に譲歩を促した。

 

核申告の検証方法を文書として形に残すのは、北朝鮮にとっては都合が悪
いと言うことであろうか。それとも中国提示の文書草案が気に食わなかっ
たと言うことであろうか、とにかく形に残されては困ると言うのでは、6
カ国協議で結論を出すことなど出来ないだろう。北朝鮮の核問題を話し合
う6か国協議の場において、このような事態が起きたのも米国のヒル国務
次官補の先走りもその一因だ。とにかく成果を求める姿勢は我が国から見
ても、危なっかしいものであり、その結果がこれなのではないか。北朝鮮
が譲歩の姿勢を見せなければ、果たして再びこちら側が譲歩をすると言う
のなら本末転倒である。議論そのものが進まない中で、6カ国協議の存在
意義すら無くなってしまうはずだ。