最大140億ドル(約1兆3000億円)のつなぎ融資を供与する救済法
案が米下院を通過したことを受け、ビッグスリーの命運は上院に移る。た
だ政権末期のブッシュ大統領に与党共和党の有力議員の造反を抑える力は
なく、週内の可決・成立に向けて法案修正も視野にギリギリの調整が続き
そうだ。上院で反対の急先鋒に立つのは、共和党の重鎮シェルビー銀行委
員会筆頭理事。10日に上院議員4人を従えて会見、同法案ではビッグス
リーの競争力は回復できないとし、「葬式を遅らせるだけだ」と批判した。

 

オバマ次期大統領は、大統領選で自動車業界の労組の支援を受けたことも
あって、ビッグスリーの救済には積極的とされるが、あくまで次期大統領
に確定しただけであって、今の大統領はブッシュ大統領であることは動き
ようが無い。そう言った中で共和党の有力議員がビッグスリーの救済法案
に、真っ向から反対しても、それを説得する力はもはや残されてはいまい。
第一、ビッグスリーがこの支援を受けても、どれだけ挽回出来るかは疑問
である。それは民主党とて考えていることであろうが、それでもとりあえ
ずつなぎ融資を行い、とりあえず今の危機を凌ぎ、後のことはまた考える
と言う場当たり的政策をどう評価するかで、共和党の造反も違った見方が
出来るのではなかろうか。