在日米軍削減論を掲げた小沢一郎民主党代表の発言をめぐって26日、
政府・自民党から批判が相次いだ。麻生太郎首相は26日夜、首相官邸
記者団に対し、一般論と断りつつも「防衛に少なからぬ知識がある人は、
そういう発言はされないんじゃないか」と強調。小沢発言を引き合いに、
民主党政権担当能力に疑問を投げ掛ける戦術に出た。小沢氏は25日、
大阪市内で記者団に対し「米国のプレゼンスは必要だが、おおむね第7艦
隊の存在で十分だ。日本の防衛に関することは日本が責任を果たせばいい」
と発言した。これに対し、河村建夫官房長官は26日の記者会見で「非現
実的だ。政権交代を標榜する民主党代表の考えとしては如何か」と皮肉った。

 

小沢代表の発言は与党だけでなく共闘関係にある社民党国民新党にはど
う聞こえたのであろうか。発言を額面通りに受け止めれば、在日米軍の陸
上戦力を縮小して、自衛隊の戦力を拡充すると言うことになるが、社民党
にとっては卒倒するような内容ではないか。この発言を受けてケビン・メ
ア駐沖縄総領事は記者会見で「極東における安全保障の環境は甘くない。
空軍や海兵隊などの必要性を分かっていない」と批判し、民主党にとって
のアキレス腱である安全保障の分野で小沢代表は墓穴を掘ることとなった。
政権交代実現後に小沢代表が目指す我が国の安全保障が、軍拡にあるのか、
それとも平和憲法を掲げて我が国だけが軍縮に走るのか、この発言の真意
を教えて欲しいものだ。