2月上旬、都内で開かれた民主党議員と支持者による会合。党代表、小沢
一郎が発した言葉に会場は一瞬凍りついた。「拉致問題北朝鮮に何を言
っても解決しない。カネをいっぱい持っていき、『何人かください』って
言うしかないだろ」日本人の人権と日本の主権を蹂躙した北朝鮮の犯罪を
カネで決着させる。あまりにもドライな小沢発言は、当然のごとく、箝口
令が敷かれた。外交・安全保障をめぐる小沢の危うさが露呈し始めている。

 

先日の在日米軍は第七艦隊だけで十分、と言った発言のように政権交代
間近に迫り、たがが緩み始めたのか、何とも危険な発言が次々と出てきて
いる。自民党細田幹事長は「発言が事実とすれば、関係者や被害者家族
の期待を裏切る大変背信的な発言ではないか」と批判し、金で買えば良い
との姿勢を政権交代後も崩さないようなら、国民に対する背信ではないか。
それとも国交を正常化して、支援と言う名の援助を垂れ流すのであろうか。
その見返りとして拉致被害者を帰国させる、そんなシナリオを描いている
とするなら、合点がいかないわけでもない。だが、このような発言の真意
が良く分からないことこそが問題である。誘拐犯に追い銭を払うような馬
鹿げた真似だけはして欲しくないものだ。