民主党内で西松建設の巨額献金事件で公設秘書が逮捕された小沢一郎代表
の進退問題について、当面は静観すべきだとの見方が広がっている。捜査
の進展や自民党側への波及、世論の動向が読み切れないためだ。小沢氏は
中堅・若手議員の訪問を積極的に受けて強気な発言を繰り返したが、真意
は見えないまま。党内では進退を巡る憶測がくすぶっている。「迷惑をか
けるのは悪いが、おれも頑張るからみんなも頑張ってくれ」。12日、党
本部。松木謙公氏ら小沢氏に近い中堅・若手グループのメンバーらが激励
に訪れると、同氏は満面の笑みを浮かべてこう応えたという。これとは別
に若手参院議員らの激励も受け、出席者によると「政権交代が必要だ。何
が何でも衆院選に勝たないといけない」と語った。

 

民主党にとって小沢代表の存在は、政権交代を実現するために掲げる旗の
ようなものであろう。自民党以上に考えがバラバラで、自民党を倒すと言
うことでのみ何とかまとまりを見せているのが実情である。今回噴出した
西松建設からの巨額献金事件や、小沢代表の政治資金管理団体が都内に1
0億円以上の不動産を所有する問題など、いわゆる古い自民党的な体質が
露呈したことで、民主党のクリーンなイメージは相当損なわれている。結
局、民主党自民党と大して変わらないと落胆し、無党派層が投票に行か
ないとなると組織選挙をどれだけ展開出来るかによって、選挙結果は大幅
に変わってくるはずだ。その前に民主党が小沢代表の首を挿げ替えて、ク
リーンなイメージを取り戻すのか、それともバラバラの民主党を束ねる存
在として、小沢代表と言う旗を掲げ続けるのか、どちらを取っても打撃は
避けられないだろう。