民主党小沢一郎代表は10日、党本部で記者会見し、公設秘書が逮捕さ
れた政治資金規正法違反事件に伴う自らの進退について、「衆院選で勝利
しなければならない。今後の行動の基準はその点に物差しを置いて判断し
たい」と述べ、次期衆院選に向け、民主党に悪影響が出ると判断すれば辞
任を検討する考えを示した。ただ、現時点での辞任は「起訴にならないと
思っている。まったく考えていない」と否定した。小沢氏は公設秘書の逮
捕に関して「同志や国民に大変、迷惑と心配をかけ、おわびを申し上げた
い」と、事件発覚後、初めて国民向けに謝罪した。

 

自らの進退が選挙に悪影響が出るか出ないかとは、さすがに失笑を隠せな
い。最初の記者会見では強気の姿勢で検察批判を展開し、謝罪の必要も無
いと突っぱねた小沢代表であったが、次第に慎重な姿勢へと転換していっ
たのは、形勢が不利と見たからであろうか。「(資金管理団体の)代表者
は私なので、監督責任はある」とする一方で「個別のことは秘書を信頼し
任せている。総括的な報告は受けているが、個々のことは知らない」と、
あくまで秘書がやったことと逃げの一手を打っている。もし秘書が起訴さ
れれば、代表辞任は避けられないであろうし、議員辞職すら考えられる。
そうなれば民主党にとっては致命傷となる、その前の代表交代も当然視野
に入ってくることであろう。