北朝鮮は25日、東北部の咸鏡北道花台郡舞水端里にあるミサイル基地の
発射台に長距離弾道ミサイルテポドン2」と見られる機体を設置した。
韓国政府関係者が26日、明らかにした。北朝鮮は「4月4日から8日ま
でに、人工衛星を運搬するロケットを打ち上げる」としている。韓国政府
関係者などによると、北朝鮮が25日、組み立て棟から機体を引き出し、
基地内にある発射台に設置したことを、米国などの偵察衛星が確認した。
機体の上部には覆いがかけられ、弾頭部分まですべて組み立てが終了して
いるのかどうかは不明という。引き出された機体は、06年7月にも発射
した2段式長距離弾道ミサイルテポドン2」とみられる。

 

政府はミサイル本体やロケットなどの部品が日本領内に落下してくれば、
ミサイル防衛システムで撃墜する方針のようだが、実験段階にあるシステ
ムが正確に働くかは、かなり微妙なところである。北朝鮮は発射される「
衛星」を迎撃すれば反撃すると恫喝をしており、あくまで打ち上げるのは
平和目的の「衛星」であると強弁を繰り返している。迎撃するかどうかは
非常に高度な政治的判断を求められる。麻生首相の決断によって、万が一
にも北朝鮮が我が国に対する攻撃を開始ような事態となれば、と誰もが心
の奥底では思っていることだろう。だが、我が国の領内にミサイル本体が
落下してきたのに、何もせずに落下させるに任せたとあっては、それも国
民の信頼を失うことであろう。