TBS系「情報7days ニュースキャスター」の11日の放送で、国
道と大阪府道の清掃作業について、普段は行わない作業をTBS側が清掃
業者に依頼、国と地方自治体の「二重行政の現場」として放送していたこ
とが分かった。TBSは25日の同番組で、「行きすぎた表現があり、誤
解を与えかねない表現になったことをおわびします」と謝罪した。問題と
なったのは、府の委託で府道の清掃作業を行っていた業者が、国道と交わ
る交差点で清掃車のブラシを上げた場面で、国土交通省近畿地方整備局
ら「事実誤認と考えられる」と文書で指摘された。

 

TBSの言うところの「行きすぎた表現」とは何なのだろうか。番組スタ
ッフが業者に依頼した上で撮影しており、それは立派な「やらせ」と言う
ものではなかろうか。結論ありきて、そこに導くために業者に依頼したこ
とは明らかであって、表現の範疇に収まる問題ではないはずだ。バラエテ
ィで数字が稼げなくなると、民放はこぞって報道系の番組を始めたわけだ
が、結局安易な報道を繰り返す、いや報道でもないような情報を垂れ流す
だけなら、何の意味もない。ましてや事実を報道するはずの番組で「やら
せ」が横行しては、視聴者はそっぽを向くであろう。国土交通省から指摘
がなければ、そのままスルーされていただけに、この問題の根は実際のと
ころ、かなり深いと言って良いはずだ。