麻生首相は27日夜、東京・内幸町の帝国ホテルで自民党細田幹事長と
会談し、衆院解散・総選挙の時期や閣僚の補充人事を巡って協議した。選
挙態勢を強化するため検討されている党役員人事を行うかどうかの意見交
換もしたものとみられる。党内の一部からは首相の退陣を求める声が公然
と出ているが、首相は自ら衆院解散・総選挙に踏み切る考えで、8月上旬
の投開票を念頭に党内調整を加速させる構えだ。会談に先立ち細田氏は遊
説先の奈良県大和郡山市内で記者団に、「すぐに解散するのか、じっくり
色々な法案の成立を待って解散すると言われるのか、よく伺いたい」と述
べ、衆院解散時期で詰めの協議を行うことを明らかにした。

 

党役員の人事、さらには小規模な内閣改造の動きが取り沙汰される麻生政
権だが、支持率の低下を受けて名誉の退陣を訴える勢力も出てきているよ
うだ。安倍政権、福田政権が事実上の投げ出しで終わったことを考えると
ここで退陣すれば名誉どころか不名誉そのものであろう。少なくとも有権
者はそのように考えるであろうし、次期総裁が誰になろうとも難しい船出
となるのは間違いないところである。臓器移植法改正案など重要法案が積
み残されており、現時点の解散総選挙は有り得ず、何よりも都議選を控え
公明党創価学会に配慮すれば解散には打って出られない。麻生首相
細田幹事長の間でどのような会話がなされたかは分からないが、何にして
も党内外の動きを見極めることが肝心であろう。