鳩山由紀夫民主党代表の政治資金管理団体政治資金収支報告書に、故人
の名前が個人献金者として記載されていた問題。鳩山氏は調査結果を明ら
かにした30日の記者会見で「国民にご心配、ご迷惑を掛けおわび申し上
げます」と深々と頭を下げ謝罪すると、うつろな表情で釈明を口にした。
弁護士同席の下、「鳩山個人として申し上げたい」と党代表の立場ではな
いことを強調。公設秘書が管理していた鳩山氏個人の資金を、勝手に資金
管理団体の収入に計上し、収支報告書には亡くなった人の名前などを使用
していたと説明した。鳩山氏は、初当選直後から支え続けてくれた秘書へ
の「信頼」を何度も口にする一方、自身の関与については「一任していた
ので全くノータッチ」。「ずさんと思われても仕方ない」「監督責任は当
然ある」。苦渋に満ちた表情で、秘書を解任したと明らかにした。

 

「秘書が勝手にやったこと」、鳩山代表も結局は同じ台詞を吐くこととな
った。鳩山代表資金管理団体の収支報告書に、すでに亡くなった人の名
前が記載されていた問題で、少なくとも2005年からの4年間で、問題
のある寄付と見られるのは、約90人からの計193件、2100万円強
に上るとされるが、秘書が何のために、勝手に資金を流用してまで献金
が増えたように見せなくてはならなかったのか。鳩山代表が言うには、秘
書は「寄付をお願いすれば相当の方はしていただけたと思うが、そのよう
な仕事を怠っていた」と説明し、秘書が個人献金を思うように集められな
かったため、それを誤魔化すために資金を流用した、信じるには難しい説
明である。調査自体は終わっていないとのことだが、少なくとも今回の会
見で納得した人の方が少ないのは間違いない。