与党は1日、鳩山由紀夫民主党代表の政治資金収支報告書虚偽記載問題を
追及するプロジェクトチームの初会合を国会内で開き、民主党提出の政治
資金規正法改正案の国会審議などを通じ、鳩山氏の参考人招致も視野に徹
底追及する方針を確認した。会合では、鳩山氏の前日の記者会見での説明
と弁護士の調査報告書を検証。「国民への説明が不十分で疑惑が残る」と
の認識で一致した。自民党村田吉隆国対副委員長は会合後の記者会見で
「鳩山氏は詳細を弁護士に説明させたが、自らの問題なのに説明責任を果
たす意思はなかったのか」と指摘。「わが国の首相になる可能性のある人
が、こういう態度であるべきではない」と強く批判した。一方、鳩山代表
は「他党がどうしようとも、昨日の段階で自分の知り得るすべての情報を
国民に説明し、おわびした」と開き直り気味に強調。進退についても「説
明責任をしっかり果たし、政権交代を何としても実現させなければ」と改
めて続投を宣言した。

 

麻生首相が党役員人事、大幅な内閣改造を見送ったことで、解散前の政権
浮揚の切り札は失われた。今、与党が攻勢をかけられることと言えば、鳩
山代表の政治資金収支報告書虚偽記載問題くらいのものである。もはや敵
失による挽回しか見込めないのは悲しいことだ。ただ、鳩山代表の説明で
納得した人がどれだけいたのか、微妙なところである。故人や献金をして
いない人の名前を記載したのは、個人献金の少なさを穴埋めするために資
金を流用したのが動機との説明だったが、1998〜2007年の10年
間で計5億9000万円もの個人献金があり、説明に矛盾が生じているの
ではないか。「あくまで秘書が勝手にやったこと」で逃げ切れると思って
いるのなら、それは甘いとしか言いようがない。「昨日の段階で自分の知
り得るすべての情報を国民に説明し、おわびした」と言うのなら、今後も
新しい情報が入り次第、国民に向けて説明すると考えて良いものだろうか。