麻生太郎首相の退陣に向け、両院議員総会を要求してきた自民党の中川秀
直元幹事長ら反麻生勢力は15日、総会開催に必要な党所属国会議員3分
の1の署名をほぼ集めた。16日に総会長の若林正俊農水相に署名を提
出し、週内の総会開催を求める方針。首相は21日にも衆院を解散し、8
月30日に衆院選投開票を行う考えを示しているが、その直前に「総裁選
前倒し」が決議され、退陣に追い込まれる可能性も出てきた。与謝野馨
務相、石破茂農水相は15日午後、首相官邸で首相と会談した。両氏は東
京都議選など地方選6連敗の総括をしないまま解散することに難色を示し
ており、首相主導で総会を開くよう進言したとみられる。

 

野党から出された内閣不信任決議案を否決して、その翌日には麻生降ろし
に動き出すとあっては、その節操の無さに誰もが呆れたことであろう。都
議選の惨敗を受けて、その総括を求める場が両院議員総括なら問題は無か
ろうが、もはや麻生首相では次期衆院選は戦えないのだ、と吊るし上げを
するための場とするのなら、自民党は確実に分裂することとなるだろう。
それでも、麻生降ろしを実現しようと言うのなら、民主党を勢い付かせる
だけではなかろうか。与謝野馨財務相石破茂農水相が事実上の退陣勧告
として、両院議員総会開催のための署名をしたとの報道もあったが、理由
がどうあれ自民党の迷走ぶりは目も当てられない。来月30日の衆院選
向けて終わりの始まりとなる一日となりそうだ。